僕たちの好きな東方 〜キャラクター・音楽編〜

前回は東方のシステムについて少し私見を述べさせていただきました。しかし、人気の秘密はゲームの持つシステムだけでなく、登場するキャラクターや音楽の良さにもあります。
開発者のZUNさんはこのように語っています。

僕が考えるゲームデザインは、そういった世界観を根底に据えて、ゲームをひとつの世界、作品としてデザインすることだからです。つまり全てのベースには世界観があって、その上にシステムが成り立っている、映像や音楽が流れ、設定があって、プレイしてる感触がある、と考えるわけです。だから、いわゆるゲーム性はゲームの中の一部でしかないし、そこにこだわりすぎるとコンピューターゲームとしての意味がなくなってしまう恐れがあります。
しばしば「ゲームの本質はゲーム性であり、ゲーム性と世界観は別物」と言う人たちがいますけれど、僕はゲーム性と世界観は相反するものではなく、ひとつになっているべきものだと考えます。

たとえばSFっぽい世界、レトロな世界が好ましいというのが設定の良さ。他方で、ある世界に合わせた音楽や背景、操作感があって、ハイスコアを入力するところまで含めて全てがまとまっているのが、ゲームにおける世界観の良さ。
だから僕の考えでは、どんな世界設定が必要かといった設定のあり方は、世界観のデザインによって決まるんです。

以上からすると、ZUNさんはゲームの製作を世界観を構築するところから始め、システムやキャラクターや音楽はそれを支える要素としながら設定しているようです。したがって、前回の最後に書いた部分に少々誤記がありました(世界観をキャラクターや音楽と同レベルで記載していた)。
前回システムについての説明を多少したので、今回はそれ以外の要素を説明したいと思います。
……と言っても、キャラクターについては個別に説明するには余りに膨大な量ですし、音楽については直接聴いて頂かないと理解して貰うことは出来ないでしょう。そこで今回は僕がネットで見つけた東方の優れたまとめサイトを紹介し、興味のある方はそこで少し学んで頂いた後、僕の好きなキャラクター・音楽について言及することにします(既にご存知の方でも楽しめるまとめサイトだと思います)。


まずはまとめサイトです。


またたびさんのページ「猫眠-ネコネム-」〜未プレイでも分かる東方FLASH〜


ここでは簡潔で分かりやすい東方の説明と、東方関連のFLASHがたくさん見られます。僕はプレイしていますが、名前の通り未プレイの方でも東方の事を理解して頂けると思います。FLASHアポロ13はオススメです。


それでは、僕のお気に入りのキャラクター・音楽を紹介したいと思います。


まずはキャラクターです。プレイを続けるにつれ好きなキャラクターはどんどん変わりました。
一番最初に好きだったのは霧雨魔理沙、魔法使いです。彼女は東方萃夢想で非常に扱いが楽だったことから情が沸き(僕は萃夢想から始めました)、黄昏フロンティア製作のスーパーマリサランドで完全にのめり込みました(きのこをとると、どんどんマリサが大きくなるんです!)。しかし、東方妖々夢以来、魔理沙は自機として使うにはかなり大変なキャラクターになってしまい、魔理沙からはおのずと遠ざかっていきました。
そこで代わりに登場したのが十六夜咲夜、通称「咲夜さん」です。咲夜さん萃夢想でも尋常でない強さを発揮、妖々夢では全弾命中ホーミングを備えており、その能力と強気なメイド長の設定にかなり惚れ惚れしてしまいました。
ところが、そこへ新たに挑戦状を叩きつけてくる幽霊少女がいました。それが東方妖々夢の一応ラスボス、西行寺幽々子です。通称ゆゆ様ですが、僕は幽々子と呼んでいます。彼女の何が好きかって、彼女の放つ弾幕は一際細かく美しいんです。その弾幕を掻い潜っている時の恍惚感といいましょうか、は計り知れません。更に幽々子のBGM「幽雅に咲かせ、墨染の桜」がとても美しい旋律で気持ちは昂ぶる昂ぶる。自機は咲夜さん、相手は幽々子というとてつもない板ばさみを幸せに感じつつ、妖々夢はプレイしました。永夜抄では、咲夜さんレミリア(僕の呼ぶ通称は余りに恥ずかしいので載せません)とタッグを組んで結構使える位置にはいたので良かったと思います。…幽々子は未だ使ってません。
ということで、今は咲夜さん幽々子が僕の好きなキャラクターとしては同率一位です。


次に音楽です。紅魔郷以降の作品から好きなものをひとつずつ挙げていきたいと思います。


紅魔郷では紅美鈴のテーマ「明治十七年の上海アリス」です。これはもうとてもかっこいいです。ピアノjazzの好きな僕には後半のテクニカルなピアノ捌きがたまりません(計算された演奏なのでjazzのピアノとは異なりますが)。


妖々夢では西行寺幽々子のテーマ「幽雅に咲かせ、墨染めの桜〜Border of Life」です。他の方の感想で僕も同感のものを引用すると、「悲しい響きの中にある幽々子の強い想いが見え隠れするいい曲」「儚さ、力強さ、全てを優雅に合わせ持つ曲」です。これを聴いて身震いが止まらなかった方、目頭の熱くなってしまった方は数多いでしょう。僕もその一人です。他にプリズムリバー三姉妹のテーマ「幽霊楽団〜Phantom Ensemble」など、妖々夢は音楽がどれも良いのですが、この曲を選ばせて頂きます。


永夜抄では鈴仙・優曇華院・イナバへの道中曲「シンデレラケージ〜Kagome-Kagome」です。誰でも知っているカゴメカゴメのアレンジ曲です。かなりアグレッシブにアレンジを加えていますが、原曲の雰囲気を残した部分もあります。月の民から逃れるべくひっそりと隠れ住む輝夜にはぴったりの曲だと思います。永遠亭に入って最初にかかる曲がこれなのはベリーグッドです。


萃夢想ではパチュリー・ノーレッジのステージ夜のテーマ「ヴワル魔法図書館」です。アレンジによってパチュリーぽさが消えていますが(紅魔郷のピアノっぽい方がパチェっぽい)、かっこいいし曲のノリがかなり好きなので選びました。


花映塚は未プレイなのですが、アレンジサントラを何枚か購入しています。花映塚ではこれまでの曲がちょっと変わったものも使われていますが、それらを抜いてオリジナルの曲で言ったら小野塚小町のテーマ「彼岸帰航〜Riverside View」です。dBu musicのアレンジが好きです。


文花帖では後半ステージで使われる曲「レトロスペクティヴ京都」です。ZUNさんは雪の降る京都をイメージして作られたとか。ゲームの盛り上がりを出すためにテンポは早め、ビートは強めの仕上がりになっていますが、これをスローテンポに再構築し直すと確かに雪のしんしんと降る京都を表現できそうな気がします。文と幻想郷の住民がウキウキワクワクハラハラしながら対峙している感じが出ていますね。


こんな感じです。2回に亘って東方について思いのたけを語ってきましたが、少しでも伝わってくれればいいなぁと思っています。最後にふたつのリンクを貼り付けておきます。



東方萃夢想とスーパーマリサランドの製作元、黄昏フロンティア



とても可愛らしいうどんげの絵を描いてくれる榎宮祐さんのサイト(特設?)
あ、うどんげに関連して座薬という言葉が良く出てくるのですが、それは彼女の出す弾が座薬の形をしているからです。


東方文花帖 ~ Bohemian Archive in Japanese Red

東方文花帖 ~ Bohemian Archive in Japanese Red

東方公式ファンブック〜東方文花帖